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ラ・リアは、コスタリカのタラスにあるマイクロミル(小さな精製所)です。2006年に設立されて以来、真面目で丁寧な仕事でファンを増やしてきました。近年は、カップオブエクセレンスでは何度も上位入賞を果たし人気、実力ともにこの国を代表するミルに成長しました。ティピカ、カツーラ、カツアイといった中米の主要品種を始め、ケニヤのSL種やエチオピアまで数多くの品種を栽培し、ダブルウォッシュトやレッドハニーといったバリエーション豊かな精製方法を駆使し、見事なマイクロロットを数多く生産しています。
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コスタリカの名産地タラスのレオン・コルテス地区にあるピエ・サン農園から、昨年に引き続き直接買い付けをしました。計3ロットで、品種は、全てレッドカツアイに統一。生産者、農園、品種が全て一緒なので、精製方法の違いが風味にどのように影響するのかを検証することができます。
1、ピエ・サン農園 レッドカツアイ種 ダブルフリーウォッシュト
2、ピエ・サン農園 レッドカツアイ種 ホワイトハニー
3、ピエ・サン農園 レッドカツアイ種 レッドハニー
■ダブルフリーウォッシュトとはどのような精製方法なのか?
果肉除去機 ⇒ デスムシラヒナドーラ(ミューシレージリムーバー) ⇒ タンクにて綺麗な水に8時間漬け置き。
その後、手作業でペルガミーノ(パーチメント)を取り出して乾燥させる。通常のフリーウォッシュト工程にプラスしてソーキング工程が付け足されたものと理解すればよいでしょう。
ダブルフリーウォッシュトで精製されたコーヒーは、通常のフリーウォッシュトよりもさらにクリーンな澄んだ味になり、フレッシュな果実味が浮かび上がります。
中米を席巻しているハニー精製が果肉を残してナチュラル精製に近づきながらさらに強い果実味を表現しようとする一方で、このダブルウォシュットは真逆の方法によって果実味を際立たせようとする試みであるといえます。
このレッドカツアイ種は見事に澄み切った赤い果実を想起させるのに十分な透明度を備え、研ぎ澄まされた美しさで飲む者の心を掴みます。最先端のコスタリカの香味を知ることができる洗練された逸品であることに間違いないでしょう。
■ホワイトハニー精製とは?
摘み取ったチェリーを、果肉除去機にかけて果皮と果肉をざっくりと取り除いた後に、デスムシラヒナドーラ(ミューシレージリムーバー)にかけて、果肉をさらに取り除き20%程度を残したまま網棚にて乾燥させる。
■レッドハニー精製とは?
果肉除去機で果皮と果肉をざっくりとったものをそのまま網棚に干します。デスムシラヒナドーラ(ミューシレージリムーバー)は使いません。かなり多くの果肉が付いたまま干すことになります。ナチュラル精製に共通するフレーバーがでることもあります。
【復習】ハニー精製とはどのような精製方法なのか?
摘み取ったコーヒーチェリーの果皮と果肉をパルパーにかけてざっくりと取り除き、ミューレージを残したまま乾燥させる方法のことです。
このときにどのくらい果肉を残すかがひとつのポイント。もう一つがそれをどのように乾燥させるか。この2点で風味が大きく変わってくると予想されます。
もともとは、セミウォッシュトとかパルプドナチュラルと言われる精製でしたが、わざと果肉を残す設定にしたものがハニー精製と呼ばれるようになりました。
大きいカテゴリーでは、ウォッシュトになりますが、味としてはウォッシュトとナチュラルの中間的なものと一般的には認識されているのではないでしょうか。
コスタリカでは、<ホワイトハニー><イエローハニー><レッドハニー><ブラックハニー>というふうに細かく呼び方が分かれていますが、他の中米諸国では呼び分けはあまりしません。『ハニーはハニー』です。
<精製の段階>
1のブラックハニーが最も多くの果肉を残して乾燥させています。下に行くほど果肉の量が減っていき、ウォッシュトに近くなります。(●は果肉の量を表しています)
0、ナチュラル ●●●●●(丸ごと乾燥させる)
1、ブラックハニー ●●●●
2、レッドハニー ●●●
3、イエローハニー ●●
4、ホワイトハニー ●
5、フリーウォッシュト(ダブルフリーウォッシュト)
果肉を全て残す【0、ナチュラル精製】と果肉を全て取り除く【5、フリーウォッシュト】の中間にあたる1〜4がハニー精製ということになります。尚、コスタリカにおいて細かく呼び方が分かれているハニーですが、他の国々では定着していません。そしてコスタリカ国内でもどのくらいの果肉を残せばレッドハニーなのか、どのくらい削ればホワイトハニーなのかといった統一基準は存在しません。
【ピエ・サン農園】

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【ダブルフリーウォッシュト 生豆】
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【ホワイトハニー 生豆】
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【レッドハニー 生豆】
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<品種 レッドカツアイについて>
コスタリカでは標高の高い場所ではカツーラよりもカツアイが多く植えられているようです。
カツーラ種は、標高が上がると生産性がだんだんと落ちると言われます。
しかしカツアイ種は、高い場所でも良く実を付けるそうです。
コスタリカの農園を見ていると、確かに高い場所に行くほどカツアイ種の作付割合が高くなるような気がします。
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ラ・リアのオスカルがカフェテナンゴに来店し、農園、品種、精製方法のことなど情報交換。

これからも交流を深めてラ・リアのコーヒーを日本で沢山販売したいと思っています。
本当に大好きなマイクロミルです。
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ラ・リアの『ラ・トリニダード農園』は、2015年カップオブエクセレンス3位入賞!!カフェテナンゴでは、出張の際、授賞式にも参加しました。その時の様子や、インタビューの動画です。スペイン語です。
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